日本から台湾への投資件数増加の背景

 多くの日系企業が台湾に進出し、ビジネスを展開しています。

 台湾の経済部の統計によると、ここ数年、日本からの投資金額は減少しているのに対し、投資件数が増加していることが読み取れます。




これが意味するものは…

投資先の業種がかつての製造業からサービス業へ移行しているんですね。

 つまり、数年前までは、台湾の安い労働力を背景に日本国内の生産拠点を台湾の工場に移管していたため、1件あたりの投資金額も大きく、設備投資が盛んでした。
 近年は、日本のサブカルチャー人気も手伝って飲食業を中心とするサービス業の進出が増えてきています。
 台北市内を見渡せば、吉野家やすき屋、ミスタードーナッツやモスバーガー等、日本でおなじみのチェーン店から、個人レストランまでそろっており、日本の地方都市よりも日本の外食産業が密集しているといっても過言ではありません。


 1件あたりの投資額の縮小に伴い、より本業の投下資本効率が重要になってきます。
できるだけバックオフィス業務にはコストをかけたくないものの、会計周りや税金対策、各種届出やちょっとした通訳・翻訳作業、契約書のチェック等、ビジネスをしていくうえで必然的に発生する作業が伴います。

 しかも…、
 台湾は一見ルーズに見えるのですが、ことお役所仕事に関しては日本よりも厳しいといえるでしょう。
 特に、税務では「統一発票」という公的領収書で法人の収入費用が管理されているため、申告漏れや過少申告が日本よりも判明しやすい仕組みになっているんです。たとえば、自社の収益を過少申告しようとして、売上伝票と請求書をごまかしても、売上領収書(前述の「統一発票」)に顧客の法人番号も同時に記載されるため、顧客企業の仕入費用の証憑(「統一発票」)から過少申告した売上額はばれてしまうのです。

 日本でもようやくマイナンバー制度ができて、今後は同じような状況になっていくかとと思いますが・・・
 特に日本企業の場合は、同じ投資金額であっても台湾企業よりも税務局が注目しやすいので、くれぐれも申告・納税は正しく行ってくださいね。

未申告や未納付のトラブルにより出国できない場合もありますので(正確にいうと出国時に未納付分を現金で支払うよう要求されます)。







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