台湾独特の監査制度(税務監査は税務申告とは別もの??)

質問 台湾の会計士監査は日本と同じと理解していいでしょうか。また、税務監査を受けるメリットについて教えてください

回答
 台湾で実施される「監査」には大きく分けて下記の3種類があります。
 まずは、“税務監査”を受けることをお勧めします!税務上の優遇等のメリットがあるので任意であれば最低でもこれだけは依頼されたほうがいいでしょう。

(1)財務監査
 決算書が台湾の会計原則(R.O.C GAAP)に準拠して台湾公認会計士の監査報告書を添付するものです。
 通常、連結決算の関係から日本の親会社から要求されて作成するケースが多いです。また、台湾で銀行融資を受ける場合で、各行からの与信枠の合計が総額3000万元以上になると必要となります。

(2)決算書監査
 台湾会社法第20条の第2項の規定により要求されている法定監査で、払込資本金が3000 万元以上の場合は受ける必要があります。

(3)税務監査
 法人税(営利事業所得税)の確定申告書の提出前に、台湾公認会計士が税務規定に準拠した課税所得となるよう調整項目を付して税務当局宛てに監査報告書を提出するものです。
 内容は日本における国税調査と似たものですが、これを受けることで以下メリットを享受することができます。
 ・欠損金の10年間の繰越しが可能
 ・交際費の損金算入限度額の拡大
 ・税務当局による税務調査は監査法人を通じて行われるため直接調査による負担の軽減が可能
 なお、上場・店頭会社など株式を公開発行している会社、営業・営業外収入合計1億元以上の会社など、財政部の定める要件に合致する会社はこの監査が義務付けられています。

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