リース取引に伴う台湾での税金関係
台湾は高度な技術力と低い人件費を武器に半導体等の電子製品の受託生産拠点としても有名です。これに伴い最新の製造機器設備を日本等の海外からリースするケースが少なくありません。
今回は日本企業が台湾企業とリース取引を行ううえで留意すべき税金関係についてご説明いたします。
◆リースの概要
リース取引は会計上、主に 1.ファイナンスリース(融資租賃)と 2.オペレーティングリース(營業租賃)の二つに分類されます。どちらも顧客の希望する物件をリース会社が購入し、当該物件を一定期間貸し出すという点は同じですが、リース料の設定手法やリース期間などの点で違いがあります。
- ファイナンスリース(融資租賃):会計上、固定資産として計上されるため所定の償却が発生(オンバランス)。物件価格には損害保険料や固定資産税などの諸経費を加えたものがリース料総額として計算される場合が多いです。割賦購入のようなイメージです。
- オペレーティングリース(營業租賃):会計上、リース料のみが費用計上されるため資産計上されない(オフバランス)。その他下記の主な条件に該当する者を指します。
- 割安購入選択権が付されていないこと
- 無償もしくは名目的対価での譲渡条件が付されていないこと
- リース物件が特別仕様でないこと
- リース料総額の現在価値が見積物件価額の90%未満であること
- リース期間が経済耐用年数の75%未満であること
◆台湾での税務上の取扱い
台湾では、日本企業等の海外企業が台湾内でリース取引を行い対価を得る場合、役務対価の国外払いということで支払時に源泉所得税を納付する義務が生じます。具体的には、買手となる台湾企業側で20%分を源泉所得税として税務当局に(代理)納付し、残りの80%分を日本企業に送金する流れとなります。
なお、源泉所得税の納付額については、原則、営業収入の20%を源泉所得税率としていますが、オペレーティングリースに該当する場合には所得税25条が定める、みなし利益率適用の要件に該当するので、実質的に3%*の源泉所得税率に軽減することができます(但し別途申請が必要。事後申請による還付も可能)。
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